肌の内側から紫外線に抵抗する状態へ

皮膚自体を紫外線に抵抗する状態にするには、肌の表面で紫外線を防御するよりも少し時間が必要です。

健康な肌の角質層には、角質細胞やその細胞間を埋めるゲル状の物質(セラミド)が隙間なく体の表面を覆うことで、外部の刺激から私たちを守る「バリア機能」を保っています。

外でどろんこになって遊んでも、シャワーを浴びて体の表面をよく洗えばすっきりきれいになれること、お風呂につかってもお湯が体内に入り込まないことなど、毎日の生活で当たり前に行っていることのほとんどが「バリア機能」が働いているおかげでできていることだったりするのです!

ところが、乾燥した肌は、角質層の細胞が硬く弾力を失ってしぼんでしまっている上に、しぼんだ角質細胞と角質細胞の間を埋めるのに必要なセラミドも不足しているため、本来びっちり体の表面を覆う役割の角質層には、たくさんの「隙間」ができてしまいます。

紫外線を浴びたとき、健康な状態なら28日で生まれ変わる肌の表皮だけのダメージでおさまることも、バリア機能が正常に働いていない場合は、肌の奥まで影響が及びやすくなります。つまり、肌が乾燥していると、紫外線の影響を受けやすいのです。

女性はもともと「オイリー肌」の体質をもっていることがとても少ないので、過剰な皮脂による化粧崩れやてかりが気になる場合、表皮の水分が足りず、その少ない水分を保とうと必要以上の皮脂が分泌されるという「インナードライ」という状態に陥っていることが多くあります。

「インナードライ」は、肌の機能が間違った方向に働いて「乾燥しているのにてかる」という奇妙な肌環境を作り上げている状態です。

肌表面の皮脂が気になる方は「肌の奥では実は乾燥していること」に気づかずに、オイリー肌のためのすっきり感のある化粧水や洗顔料を選びがちですが、乾燥したの肌にオイリー肌のためのスキンケアを行うと、当然のことながら乾燥がさらに進むことになります。

肌にわずかにのこった水分を保持しようと、肌の機能はもっと大量の皮脂を分泌し、せっかく時間とお金をかけて丁寧なスキンケアをしていても、てかりや化粧崩れがますます悪化してしまうこともあるのです・・・。

思春期をすぎた女性の肌でてかりが気になる場合、その原因として「乾燥」を疑ってみることが悪循環を断ち切る第一歩になります。肌に潤いを与えるスキンケアを行うことで、水分バランスが整うと、皮脂の分泌も適度な量に抑えられるようになります。
こうして水分バランスが整うと、肌の「バリア機能」が強まり、外部からの刺激を表皮の部分でがっちりガードできるようになり、紫外線の悪影響が肌の奥深くに及ぶことを防ぐ抵抗力をもたせることができます。

乾燥肌を自覚されている場合はもちろん、化粧崩れやてかりが気になる肌にとっても、肌に必要な水分を十分に与え、日中もその潤いをキープできるようなスキンケアがシミ、そばかすの予防に効果的なのです。